今回のレポートは、医学部受験ではほぼ回避不可能な「面接」についてお話しましょう。
私自身の経験や医学部の友人たちの話を総合してみた限りですが、面接のポイントはそんなに多くありません。面接試験は、
「パーソナリティ的に問題のある学生は医学部に入れたくない」
という大学の意向により行われているためか、「素晴らしい回答」は求められておらず、「問題ない回答が出来るヤツ」という印象を与えられれば、それで十分だったりします。ただ、厳しい面接試験を課してくる大学は「小手先」が通用せず、その受験生の考える力や人間性を評価しているので、当人の素のステータスが反映されます。面接がウルサイと有名な大学は、ちょっと注意が必要です。
上記の通り、一部の例外を除いて面接本体で差がつくケースは少ないですから、面接の準備に多大な時間をかけるのはお薦めしません。大切なのは、以下の押さえるべきポイント。面接での労力は極力減らし、学科試験の成績を少しでも伸ばすようにしましょう。
1:頻出質問の答えを用意すること
「医師、医学部を志望する理由」
「なぜこの大学を志望したのか?」
「卒後、大学のある県に残るか?」
「将来の医師像」
「興味のある診療科」
などですかね。これらの質問は、スラスラ答えないと印象が悪いので注意が必要です。
また、医学部に限りませんが、面接での定番の質問、
「自分の長所と短所は?」
「自己PR」
「協調性はあるか?」
なども注意です。言えて当たり前感がありますので、くれぐれもサボらないように。
2:医学知識・医療ニュース
医学部受験で勘違いされやすいところですが、実際の面接で医学知識が要となるケースは少ないと言えます。完璧な答まで全て用意する必要はなく、最低限の知識さえあれば、後は考えて自分なりに返答することが出来ます。細かい医学知識を取り上げて、「○○を知っていますか?」という質問はめったにされませんし、知らなくて不合格になることはありません。(知らなかった時の対応が見られているため。)
それよりも、世間で話題になった医療ニュースについてしっかり自分なりの意見を持っているかが問われます。
たとえば、
「オートファジーについて」
「iPS細胞について」
などの研究テーマも、「医学に興味あるなら知ってるよね?」ってな感じで質問されます。
3:社会人としてのルール・マナー
服装、入室時退室時の出入りの仕方や挨拶、姿勢など、マナーは事前に調べて実践出来るように練習しておきましょう。
そして、意外に注意したほうが良いのが控室での態度です。面接の準備が終わるまで、控室や応接スペースに一時的に通されるケースがあるかも知れません。案内されて控え室に入ったときは、他の人に迷惑をかけないよう、静かに席について順番を待ちましょう。すでに面接は始まっています。携帯電話をいじったり、キョロキョロしたりするとマイナスの印象を与えてしまいます。面接対策用に作った自作のメモや、大きくない参考書を見るなどして、静かに待機しましょう。
4:簡潔に回答し、カッコつけすぎない
面接だからと言って、冗長になるのは好ましくありません。結論から簡潔に答えましょう。そして、無理に良いことを言おうとするより、正直に答える方が印象が良くなります。
例えば、自分の短所について質問されたときに、強がって「短所は特にありません。何でも出来ます」などと言うよりは、「自分には~~という欠点がありますが、今後改善していきたいと思います」などのように答えることで、かえって印象が良くなります。悪い部分があっても、それを克服した自分、或いは、克服しようとしている自分を見て貰えるように心掛けましょう。
5:靴・カバンなどの身だしなみ
まずカバンについてですが、大事なのは、男女問わず床に置いたときカバンがしっかり自立できる構造であるか否か。自立するカバンなら、置く場所を選ぶことなくすぐに面接を始められます。
デザインはフォーマル寄りで、ナイロンや合成のようなものでも、しっかり自立する構造になっていれば、本革のような本格的なものでもなくとも問題ありません。形状も、普段仕事で使う一般的なビジネスバッグで良いでしょう。色に関しては、スーツや靴などに合わせて「黒」が基本です。ただし女性の場合は、男性に比べると服装含めてデザインや色の種類が豊富で、ビジネスマナーの基準も男性ほど厳格ではありません。
また、案外いい加減になりやすい靴ですが、靴は印象を大きく左右する重要な存在。面接官からも見られるところです。スーツ同様「清潔感」が大切になるため、靴自体が汚れていたり、傷んでいるような場合はきれいに磨いたり、新品に取り換えることが大事です。
靴も、本革仕様やブランドものでなくて構いません。まずは見た目がキレイであることが重要です。形としては男女問わず、先端が尖りすぎていないもの。色は、男性の場合定番「黒か茶色の紐靴」。ソックスに関しては、靴かスーツの色に合わせつつ、柄は無地もしくはワンポイントで刺繍があるような、落ち着いたデザインが良いと思います。
女性の場合、靴の色に関しては男性同様、スーツの色に合わせるのが定番です。ただし男性のように黒や茶だけでなく、ベージュや淡いピンクのようなカラーでも、スーツにマッチしていて全体に統一感があれば問題ありません。
一般的には、上記の5つの点に気を付ければ、面接で劣勢になることはないかと思います。
ただ、不登校・引きこもり経験者の場合、上記に加えて後一点だけ、非常に重要なポイントがあり、これを外すと色々アウトだったりします。で、その話を・・・・・・といきたいところですが、今回はここら辺で止めておきましょう。またどこかのタイミングで紹介します。
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