理由は良く分からんのですが、私の親族は父方も母方も何故か妙に数が多くて、少子化とか何とかが話題に出る昨今にもかかわらず、10人単位で血縁関係者が集まることが度々あります。別に、変な宗教でも何でもないのですが、年に一度は50人規模での集まりもあり、毎度毎度会う度に、「誰だか知らないけど、薄く血の繋がりがあるらしい人々」と、老若男女問わずお酒を飲んで美味しい食事を囲んで、愉しくワイワイ騒いだりします。
いつだったかも、誰とも知らん叔父さんズ×2(推定60歳過ぎ)と自分(33歳頃?)に、高校出てどこかに留学予定の少年(18歳?)に、謎のニート20代女性と、どこだったかの奥さん(多分40代)とで、小学生のガキんちょが走り回り、中学生達がカードゲームで騒いでいる中、年々増える誰かの赤ん坊をあやしながら、
「各年齢毎に済ませておかなくてはならない重大事項について話し合う会(微エロ有り)」
をテーマに飲んでおりました。
始めは穏当だったのですが、途中から何かもう無茶苦茶で、お酒の入った姐さん達2人が、高校生の子を囲んで、
奥「あなたねえ、そういうときはやらんとダメ! やらんとダメなの! 女を分かってなかとよ~本当にもう~!」
と、一体何をやると言うのか、兎に角高校生に絡む絡む。
謎「そうそう。引いてばかりで、『心の傷』とか言っちゃう男は根性腐ってるわ。マタンキついてんのか、お前」
セクハラとかいうワードは、ここでは基本的に意味を持ちません。
少年は少年で、
少「そげん言っても、恥ずかしいもんは恥ずかしか! ババア共の意見なんか聞いてねえ!」
と、BBABBAと煽る煽る。
仕舞いには、叔父さんズと一緒に、チビリチビリと、「女性優位社会における男の苦悩と今後の展望」について語らっている私の方にも、何故かお鉢が回って来ます。
奥「ダメ! この子全然分かってない! 悠君からも言ってやって!」
私「お、おうおう。(少年の方が分が悪そうなのを感じ取って)……そうだそうだ! キンタマついてんのか、お前! このタマナシが!」
少「仲間じゃねえのかよ!」
私「勝ち馬に乗るのが処世術だよ、君」
謎「分かってるねえ! 男だわ……って、そう言えば、アンタ見かけない顔だけど、誰?」
私「って言うか、お前こそ誰だ? ああん?」
と、こんなことが定期的にあり、数年後にまた会っては全て忘れていて、
「お前誰だ?」
「お前こそ誰だ。名乗れ」
を繰り返します。誰なのかもさっぱり分からないのですが、関係を持つ根拠はただ一つ。とりあえず、血が繋がっている人の関係者の誰か。
最近は家族の崩壊だとか、親類関係の希薄化だとかアレコレテーマになりますが、繋がっているところは繋がっているわけで、それも結びつきを大切にしようという気持ちがあるか無いかが全てのような気がします。
行く度に見かけて、いつも皆の世話を焼いているメガネの兄さんが言っていました。
「自分の親類は皆バラバラで、こんな風に集まることはなかった。奥さんの実家が、賑やかなところで嬉しい。これからもずっと続けて欲しいと思う」
個人の自由も大切なことかも知れませんが、人との関わりを減らし、繋がりを無くし、それが「自由」だなどともっともらしく嘯く者の惨めなこと。彼等の言う自称「自由」が、これだけ方々で断絶を生み、その弊害が明らかになる中、古き良き繋がりが生み出す豊かさこそ、自然と再評価され得るものなのかも知れません。
親族の付き合い 淡きこと水のごとし 忘却と共に流れ行く
コメントを残す