不登校・引きこもりの類型と対策について解説します。
「役場(?)の福祉の人間が家に来たときは、そいつらと親にマジで殺意沸いた。
『お前、勝手に俺を弱者扱いしてんじゃねえよ、殺すぞ』と」
とある飲み会での一幕
至って当然のことですが、目先の日常が順調に進んでいるにもかかわらず、わざわざ狙って塞ぎ込む人は、世界広しと言えどほぼ存在しません。
特に必要とはされない不登校・引きこもりへの「共感」
CARPE・FIDEMは、かれこれ20年近く不登校・ 引きこもり 経験者に対して総合的な支援を継続してきましたが、経験則ながら、ほぼ確実に言えることがあります。
「不登校・引きこもりは、周囲からの要求を満たせない者から発生しやすく、要求を満たすだけの十分な能力が確保出来て初めて、恒久的に解消される」
つまり、学校なり会社なり、社会から要請される最低限の能力下限値というものが各所に存在し、それ以上の人間は不登校にも引きこもりにもなりにくいが、下限値以下の人間は不登校・引きこもりになりやすい、ということです。
考えてみれば当然のことで、頭も良く、話も巧みで容姿にも恵まれ、家庭も温和で学校も楽しく通っている子が、ある日突然不登校になるケースは極めて稀です。10~20代の青年期の場合、自我の確立の過程で小さなトラブルがあって、一時的に塞ぎ込むことは誰にでもありますが、仮にその場合でも、条件が良い程改善確率は上がります。
また、家族や学校からの要求が緩く、進学や就職への制限が少ない家庭では、不登校・引きこもりも発生しにくいですが、過剰な教育熱で、進路先を厳しく限定するような家庭では、不登校・引きこもりの発生率も必然的に増加します。要は、「家庭や社会から与えられた要求を、子供が満たせるかどうか」が、全ての鍵となります。
よって、巷間流布著しい「不登校・引きこもりへの理解がある」「不登校・引きこもり経験者へ共感力が必要」といった言説は寧ろどうでも良く、仮に支援者側が当事者に全く共感を示さなくとも、欠損した能力の向上を最優先課題として、抱える問題にプラクティカルに対処するなら、最終的な改善率は遙かに高くなります。共感が無用とは言いませんが、共感の持つ力は、改善における実情としては微々たるものである現実を忘れてはいけません。陳腐な共感や馴れ合いを求め、手遅れになった長期高齢引きこもりは、もはやゴマンと存在するのですから。
不登校・引きこもりの改善に関する具体的要素
では、具体的にどのような要素が、人を不登校・引きこもりへと誘うのでしょうか? ここでは、その主要要素を紹介し、いくつかの具体例を紹介しながら、現実的な解決策を提示することにしましょう。要素は、とりわけ現場で表面化しやすい「基礎学力」「対人関係」「基礎体力」「容姿」「家庭環境」「教育環境」「青年期の課題」の7要素に分類して評価しています。
具体例は、当人の許可を得ているか、或いは実際に存在した複数名の実例を個人が特定されないレベルに抽象化してありますが、実用には耐える程度のものを使用しています。また、各要素の評価基準については、冗長になるため文尾に記載してあります。予めご了承下さい。
具体例1「挫折したエリートA」
経緯
「挫折したエリートA」は、先天的に高いIQを誇っていたものの、劣悪な家庭環境が祟り、教育水準も低調な状態が続いていた。教育環境下にいた期間は極めて短く、それがために基礎体力の不足にも長期間悩まされた。知能は高い一方で、人とのコミュニケーションは積極的ではなく、限定的な付き合いしか好まない孤高さがある。
対処
「挫折したエリートA」に必要なのは、同程度の教育水準と知能を持ち合わせる集団との会合であり、本人もそれを望んだことから、とある国公立大学の医学部医学科に進学した。大学進学後の困難を想定し、CARPE・FIDEM在籍時には、基礎学力の養成だけでなく、最低限の友人関係構築の手助けを行った。また、同タイプにありがちな青年期の課題問題は、特に際立った対処はしていないものの、教育水準の上昇と平行して改善され、概ね問題無い水準に至った。
現在
大学を卒業した後に結婚し、現在は勤務医として業務にあたっている。
具体例2「挫折したエリートB」
経緯
「挫折したエリートB」は、地域の名家の生まれであり、親族は地主以外にも多様な専門職に従事しつつ、名望家として代々評価されていた。本人もそれに漏れず、一流有名中学に進学するが、親との関係悪化に加え、過大な自意識に悩まされて高校を中退した。
対処
挫折の原因が家庭環境と当人の自意識に集約されているため、学力の養成は最低限に留め、自主管理を旨とした。支援側の主立った業務は、複雑に絡み合った家庭環境の再構築と、当人の抱える自意識過剰の低減を中核とし、上記2点の改善を見てから大学進学へ駒を進めた。最終的には、国立大学医学部を含め、多数の私立大学医学部に合格した。
現在
私立大学医学部に在籍し、最上位の成績を上げている。また、同業の親族との関係も改善し、かつてからは想像も出来ない程に自立している。
具体例3:「挫折したエリートC」
経緯
「挫折したエリートC」が、何故CARPE・FIDEMに来たのかは定かではないが、推察では統合失調症発症後の社会復帰活動の一環だった可能性が高い。少なくとも、参加段階では天才的閃きは無いが、オールラウンドに活動出来る安定性に加え、目立った問題も無く、友人関係も円滑であった。ただ一つだけ、「裏切る自分」に悩まされていた。
対処
本来なら医師の仕事だったのだが、「大きな問題は解決したから」と、本人が強く拒否したため、在籍時は改善までの「時間稼ぎ」を旨とした。判断は正しかったようで、「裏切る自分」は段階的に鳴りを潜め、普通の学生へと回帰した。年齢のこともあり、進路先は医療系の専門職を薦めたが、本人の希望を優先して理工系学部を選択した。東工大と慶應義塾大学、早稲田大学その他に合格したものの、何故か東工大ではなく、慶應に進学した。理由を聞いたところ、「彼女が欲しいから」と回答した。
現在
大手外資系企業に勤務し、結婚して二人の子供がいる。日本にいる時間よりも、海外にいる時間の方が長い点を嘆いている。
具体例4:「稀代の詐欺師」
経緯
「稀代の詐欺師」は、注意を要する人物であり、上記チャートのみでは測れない要素が多分に存在する。甘いマスクと巧みな話術、そして無尽蔵にも見える体力を持つ、典型的な人たらし。名門中学出身で、天性の才能としか思えない当意即妙を持ち合わせているが、正当な方向に活用しようとはせず、何かを「欺く」ときに、その真価が遺憾なく発揮される。発揮され過ぎた結果、学校に居場所が無くなり、不登校に至る。
対処
愚かではあるが憎めない性格故、学力養成や家族関係の改善等の根本的な対策は早々に諦め、その才覚が活用出来る分野への斡旋を行うことにした。ただ、最低限の社会常識や道徳に対する意識は必要であるため、その点のみに注力した。
現在
大手広告代理店の営業職として勤務している。結婚し、現在一児の父。
具体例5:「寡黙な昭和のエンジニア」
経緯
生来、好奇心の範囲が狭いためか友人も少なく、寂しい幼少期を過ごした。小学校まではギリギリ通ったものの、中学からは完全に適応困難に陥り、家に引きこもる。機械いじりが好きで、中学段階では金属加工した簡単な機械を自作出来たが、評価者はほぼ存在しなかった。現状の変更を求め、CARPE・FIDEMにやって来た。
対処
「寡黙な昭和のエンジニア」は、管理職たるオールラウンダーとしてはあまりに脆弱で無能力だが、本人の関心が及ぶ狭い世界には、人並み外れた才覚を示す。関心が狭過ぎるが故に、標準的な学校教育には適合しないことが多く、改善の見込みも乏しい。そのため、成長の見込めない範囲は必要最低限を残して切り捨て、関心のあるエリアへ教育資源の大多数を投入した。長期間にわたる話合いの結果、建築分野に活路を見出し、地方国公立大学の工学部建築学科に進学した。
現在
地方国公立大学の大学院生であり、院に入る前には、当該分野におけるいくつかの賞を獲得しており、最優秀賞も受賞している。女性関係に乏しい点が現在の悩みで、彼等なりに努力はしている様子が見受けられる。
参照:「スイス機械産業の伸長は、発達障害系引きこもりの助けとなるか?」
具体例6:「気まぐれな変人」
経緯
教育熱心な家庭で育てられたが、どこか掴み所の無い子供で、両親も困惑することが多かった。親の薦めで名門私立高校に進学したものの、反抗期が始まるや即座に中退し、家族に暴力を振るうようになる。その後、本人が「俺ココ(CARPE・FIDEM)に行く」と親に宣言し、勝手に申し込みを行うが、当の本人がおらず、出席しても教室に隅で壁に向かって小さくなっていた。
対処
典型的な「変人」だったため、当人の才覚を把握すべく、暫く放置して様子を見た。話の出来る友人が増えるに従い、常人ならざるユーモアの持ち主であることが発覚したが、進路先の選定には難儀した。理由も無く教室で激昂し、叱責されると泣き出すこともあった。「周囲の友人が医学部進学を希望していた」という理由だけで本人も医学部を受験し、地方国公立大の医学部に合格した。
現在
医学部入学直後から、「これは失敗した! 騙された!」と話す相変わらずの変人っぷりだったが、無事卒業して医師として勤務している。ただ、医療には全く関心が無いようで、早々に転職を考えている様子。今となっては、その変人気質が人から好かれるようにもなり、平穏無事に暮らしている。学生時代から再会する度に彼女が変わり、体重と容姿が乱高下している。
具体例7:「平均的な天才」
経緯
幼少期より、理数系科目について驚異的な才覚を持っていたが、家庭や学校からは特段の対応も無く、寧ろ進学先は平凡な中堅校だった。周囲との噛み合わなさが原因で高校を中退し、高校認定取得後に地方国公立大学に進学するがそこでも同様の事態が発生し、CARPE・FIDEMへやって来た。
対処
参加段階で、既に大多数の医学部がA判定と、高いスコアを確保していたため、学習指導は基礎学力の不足部分の補足のみに留めた。東大の入試問題を目算だけで解く等、類い希な才能を持っていたが、当人は特に気にする様子も無かった。その後、駿台の東大模試で理三A判定を取り、成績優秀者となるが、実際の出願は一段階落として受験している。国公立大医学部他、上位の私立大医学部にも複数合格した。
現在
医師としての人生は一つの「滑り止め」と考えていたようで、国家試験合格後は、IT関係職への転身を考えている様子。
具体例8:「歌って踊れるITエンジニア」
経緯
生まれながら容姿に恵まれ、当人もそれを自覚していたが、特に鼻にかけることもなく、寧ろそれ以外の部分での才覚不足に悩んでいた。家庭環境の悪化と教育環境が原因で高校を中退。大手通信高校に入学するも、提供される学習水準の低さを理由として、CARPE・FIDEMに転身した。
対処
容姿を活かす方向を模索していたが、本人も親も「水もの商売」への忌避感が強く、手堅い職を求めていた。本人の関心と時代の方向性を含め、国公立大学情報系学部へ進学した。入学と同時に、ファッションモデルのオーディションを受けたところ、副業として活用する程度のレベルに達した。また、歌唱力も同程度に評価されるに至った。
現在
恋人にも恵まれたこともあり、「水もの」は大学生時代のみに限定し、あくまで手堅い生き方を模索する模様。
具体例9:「生まれたての子鹿」
経緯
家庭にも学校にも友人関係にもバランス良く恵まれ、当人にも何ら問題らしい問題も無く、平穏な日々を過ごせたはずの人生だったが、「致命的に体力が無い」というただ1点の欠点のために、高校から不登校に陥った。
対処
CARPE・FIDEMに来た際には、周囲から「本人の気力が無い」「意志が弱い」「目標意識に乏しい」と評価されており、本人もそのように自覚していた。親御さんからは「精神を鍛え直して欲しい」との要望が上がっていた。一方、暫く日常生活を観察していたところ、本源的問題は別にあるのではないかと推察される場面に度々遭遇したため、学力養成は一時停止し、半年にわたり、基礎体力の養成(主にマラソンと筋トレ)と食生活の見直し(炭水化物中心→蛋白質中心)を最優先課題とした。
現在
体力の向上に比例して、「本人の気力が無い」「意志が弱い」「目標意識に乏しい」の全てが改善し、CARPE・FIDEMの籍は残したまま、在籍していた高校に復帰した。表面的に見られる課題は、ほぼ全て体力不足をその根源としており、個別対処の必要は無かった。
(注)以下は、レーダーチャートにおける、大雑把な評価基準になります。
「基礎学力」
当実例内での「基礎学力」とは、一般的な高校生が要求される、高等学校における教育水準の程度を表しています。所謂IQとの厳密な関連性はありませんが、各カテゴリに該当する高等学校在籍生の平均的知能指数は参考にしています。
1:基本的な読み書き計算に致命的な支障がある。
2:小学生程度の基本的な読み書き計算は行える。
3:表面的には見えないが、基礎学力に問題がある。
4:基礎学力に問題はあるが、改善し得る。
5:最低レベルの大学受験(所謂Fラン大学ではない)が可能である。
6:平均的な大学受験が可能である。(日東駒専他)
7:中堅進学校の中堅層(地方国公立大学・GMARCH他)
8:中堅進学校の上位層(上位地方国公立・上智大・東京理科大他)
9:上位進学校の中堅層(上位私大医学部・中堅国公立医学部・早慶・地方帝大他)
10:上位進学校の最優秀層(東大・京大・国公立医学部の最上位層)
「対人関係」
当実例内での「対人関係」とは、主に日常生活における人付き合いの円滑度を表しています。対象は家庭外の第三者を想定しており、家族との関係は含まれません。
1:第三者とのコミュニケーションは一切取れない。
2:当人が認めた第三者に対してのみ、極めて限定的なやり取りを行う。
3:最低限の対話は可能だが、当人が積極的に行うことはない。
4:基本的なコミュニケーションは可能だが、苦手意識がある。
5:平均的なやり取りが無理なく行える。
6:同系統の人間とは円滑だが、逆のタイプは敬遠することが多い。
7:親密な友人がおり、相容れない人間でも拒否することはない。
8:大筋誰とでも対話が可能で、他者を引っ張ることが出来る。
9:真逆のタイプの人間からも、好意的評価を受けることが多い。
10:性別・年齢・社会的地位その他の別無く、ほぼ全ての人々から高く評価されている。
「基礎体力」
当実例内での「基礎体力」とは、主に日常生活で必要となる基礎体力を基盤とし、それに加えた+αの才覚がどの程度維持されているかを表しています。
1:身体の維持が困難で、ほぼ寝たきりに近く、入院生活が前提である。
2:最低限の起立は可能だが、横臥している時間の方が長い。
3:長時間の連続的活動は不可能だが、最低限の外出は出来る。
4:平日の通学や通勤に支障があり、連日通うことが出来ない。
5:平日の通勤・通学は人並みに出来るが、休日はゆっくり休みたい。
6:平日の通勤・通学は問題無く、休日も多少の外出は行う。
7:平均的な活動に支障は無く、体力面でも人より自信がある。
8:体力面で困難を感じたことも無く、体を動かす活動は積極的に行っている。
9:体力に加え、運動神経も優れており、過去に大会その他で評価されている。
10:ほぼ病気知らずな上、アスリート活動で現在も評価され続けている。
「容姿」
当実例内での「容姿」とは、主に第三者視点からの外観的評価の程度を表しています。容貌や身長等、一般的に評価の基準に入るものに加え、ファッションセンスや体重等、変更可能なその他の要素も抽象的に加味しています。ただ、主観的要素が多分に入ることから、厳密な評価は不可能で、その点を前提としてご利用下さい。
1:学齢期から現在に至るまで、容姿で評価されたことはほぼ無い。
2:過去容姿で評価されたことは無いが、本人の改善意識がある。
3:容姿での評価経験に乏しく、本人にも改善意識は無い。
4:容姿での評価経験は乏しいが、本人の改善意識がある。
5:平均的な容姿であり、状況によっては評価されることもある。
6:平均的な容姿だが、本人の改善意識により改善傾向にある。
7:学齢期から容姿を評価されることが度々あり、自身もそれをある程度認識している。
8:容姿への高い評価に加え、本人の改善意識の高さがうかがえる。
9:特に優れた容姿を持ち、相対する人からはほぼ好意的な評価を受けている。
10:優れた容姿から、既に芸能・ファッション業界で一定の評価を得ている。
「家庭環境」
当実例内での「家庭環境」とは、主に家庭内での円滑なコミュニケーションや経済状況、文化的累積を総合的に表しています。不登校・引きこもり問題において、家庭環境は重要なパラメタとなるため、上記要素の包括評価は無理があるのですが、ここでは便宜的に総合評価しています。
1:親子仲は口もきかない程険悪であり、家計が維持出来ない程経済状況が悪く、親は高等教育への関心がほぼ無い。
2:親子仲は険悪であり、経済状況も悪いが、親は高等教育を否定することは無い。
3:必要なことに限った限定的な会話のみで関係は悪く、経済的にも安定はしていないが、高等教育は否定しない。
4:最低限の会話はあり、平均的な経済状況で、高等教育には最低限肯定的である。
5:日常会話はするが、突っ込んだ話はしない。平均的な経済状況で、高等教育には好意的である。
6:親子関係は日常会話のみだが、経済面での困難は無く、高等教育に好意的である。
7:日常会話は円滑で、たまに込み入った話もする。経済面での困難は無く、教育姿勢も前向きである。
8:日常会話は円滑で、親子間の相談は容易である。経済面では余裕があり、要所要所に知性が感じられる。
9:打ち解けた関係であり、経済的にも裕福で、日常生活においても高度な素養がうかがえる。
10:家族間のコミュニケーションは豊富かつ富裕であり、家庭には高度に洗練された文化的素養がある。
「教育環境」
当実例内での「教育環境」とは、主に中・高等学校や塾その他(場合によっては、かつての在籍学校)の環境水準を表しています。中核は、教員の指導水準に加え、クラスメイトの素行、教育水準をその要素としています。学校環境も、不登校・引きこもり関連では重要なパラメタとなるため、上記要素の包括評価は無理があるのですが、ここでは便宜的に総合評価しています。
1:所謂教育困難校であり、教員の意識も低い上、クラスは完全に崩壊している。
2:教育困難校でクラスは崩壊しているが、最低限教員の意志は感じられる。
3:教育困難校ではあるが、教員と学生との関係は最低限維持されており、崩壊はしていない。
4:中堅校以上だが、教員の意識が低めで、クラスの治安は決して良くない。
5:中堅校以上で、教員の指導も平均的に機能している。たまにトラブルはあるが、基本的には大過無い。
6:かなり良く機能した中堅以上の学校で、教員の意識も高い。トラブルは発生するが、対処はされている。
7:上手く機能した中堅以上の学校で、教員の質も学生の意識も相応に高く、つまらないトラブルは少ない。
8:上位の進学校で、基本的な問題はほぼ無いが、進路面での問題だけが散見される。
9:上位の進学校で、基本的な問題はほぼ無く、進路面でのトラブルはあれど、概ね無理なく解消されている。
10:上位の進学校で、生活・進路両面において円滑に運営されている。教員側は学生に対して最低限の補佐役を自認しており、学生もそれを認めている。
「青年期の課題」
当実例内での「青年期の課題」とは、主に10~20代のモラトリアム期間における自己肯定感確保の程度を表しています。大雑把には、当人の感じる「余裕」の程度と言い換えても差し支えありません。
1:自我の崩壊に近い状況で、日常生活の維持は不可能であり、入院が前提となる。
2:円滑な生活を行うだけの余力は無く、さりとて具体的解決策の無い手詰まり状態である。
3:最低限の活動は行っているが、著しく低い自己肯定感に押しつぶされそうになっている。
4:表面的には円滑に見える日常だが、目に見えない焦燥感を常時抱えている。
5:日常生活に問題は無いが、ふとしたときに漠然とした不安感に襲われる。
6:基本的な活動には支障は無く、不安が無いでも無いが、誤魔化すだけの手段がある。
7:自我に対する問題は無いでは無いが、対話や書籍での対処手段がある。
8:自我に対する問題は無いでは無いが、対話や書籍での対処手段があり、既に成果を実感している。
9:自身の問題はほぼ全て解決しているが、他者への寛容を今後の課題としている。
10:過去・現在・未来含め、今ある自身と他者を大きく許すだけの度量と素養がある。
[…] 定度が相対的に高くなる傾向があります。以前掲載した、不登校 引きこもり の原因とその対処実例 ~共感は本当に必要なのか?~における「挫折したエリートA~C」や「稀代の詐欺師」 […]